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移民の夏

ブラはもう汗かく夏模様。
イタリア北部に限って言えば、7月の方が8月より暑く、
来月になればもう秋めいた風が時々吹いてくる。

それでも来月になってからヴァカンスに行く人が多いのは、昔からの習慣なのか、
ピークを避けて7月に旅立つことができるラッキーな人たちを除き、
8月に2週間ほどお休みをとるのが普通のようだ。

既に6月あたりから人々の間で「ヴァカンスはどこへ行くの?」という話題が増え、
テレビや雑誌はヴァカンスについてくり返し、
折り込み広告もヴァカンス用のサンダルや水着、
クーラーボックスなど夏模様を帯びる。
一緒に旅行する人が見つからない、確かなアイディアが浮かばない、
行きたいが予算が難しい、などの状況を抱える人にとっては、あせりを感じる季節だ。

「こんなに心配のたねになるんだったら、ヴァカンスも意味がないよね」と、
チーズ屋さんのレナータに言うと、
彼女はだんなさんを亡くしているので、ヴァカンスの友を探さなくては
いけないのと、90歳代のご両親がいるので、たとえ彼らが健康とはいえ、
ちょっと海外など出ると心配になってしまうそうだ。

「10年ぐらい前まではね、もっと簡単だったわよ。
近くの海に短期アパート借りて、行って帰ってくるっていうだけでね。」
それが少しずつ、人々がお金を持つようになってから、
飛行機に乗って海を渡るの普通になり、
今では近場のヴァカンスなど時代遅れという感がある。

そういう私とディーノも、8月半ばにベルギーまで車で行くことにした海外組だが、
「ベルギーなんて悲しいところにどうして行くの?」と幾人かに言われた。
ヴァカンスは海!またはエキゾチックな国々、
モロッコ、トルコ、キューバ、インド・・そんなイメージのあるイタリア人にとって、
ベルギーはとってもつまらない場所に感じられるらしい。

確かに、8月後半のベルギーは、もう既に夏を過ぎているだろうし、
曇り空も雨も多いだろう。
それでも、20代の最初にベルギーに行った私と、
これまたイタリア人にしては珍しくベルギー経験者の
ディーノ氏としては、
車で行けて静かに過ごせる場所の第一候補がベルギーだったのだ。

そのベルギーは、10年前私が行った頃ユーロ通貨がまだ導入されていず、
ベルギー・フランが使われていた。
国営サベナ航空も破産前で、成田から直行でブリュッセルまで飛べた。
スターバックスもまだなかった。
今はどうだろう? 

ちょうど先週、リエージュというベルギー南東部の街で、
子供ふたりが暴行・殺害された事件があり、
容疑者としてモロッコ人の男性がつかまった。
この冬は、やはり移民の若者がベルギー人の男の子を殺してしまい、
被害者の両親を先頭に移民対策を要求するデモ行進がブリュッセルであった。
目的は彼の持っていたアイポッドだったという。

私が行った頃も、ちらほらと移民の人たちは眼についた。
初日にバスに乗って、停留所がわからなかった私を助けてくれたのは、
やはりモロッコの人だったし、
小さな雑貨店で買い物をした時「どういたしまして!」というフランス語を
教えてくれたのは、太陽のような明るい笑顔のトルコ人の女の子だった。
それでも移民の存在が目にあまるという印象はなく、問題が生じているという空気もそう感じられなかった。

一度訪れて良い経験をした国を何年後かに再訪するのは、少し決意がいると思う。
きっと変わっているだろうなあ、と予想する。
それが良い方向に変わっていることって、そうあることではないだろう。
バリ島の奥まった村に昔行ったことがあり、
そこも「もう一度行きたいが、行きたくない場所」のひとつだ。

それでも、移民の問題はベルギーに始まったことではない。
イタリアでもおなじみのことだし、私もここでは 、extracomunitari エクストラコミュニタリーー「EU外の国の人」という意で、やや差別的に、それでも日常的によく使われるーー、移民のひとりだ。


5月末に、滞在許可証更新の申請をするためクーネオ警察まで行って来た。
今回の更新は、昨秋に労働ヴィザをとってから始めての更新で、
今までとは勝手が違う。
仕事上の金銭出納がチェックされ、会計士の書類を確認され、
発行した請求書も一部提出する義務がある。
それもこれも、外国人がヤミで働くことを防ぐためで、
そろえる書類は何種類もある。

日本でもだいぶん報道された4月のイタリア総選挙では、右派の首相が左派に負け、
5月からやっと少し民主的な政府になった(はずだ)。
移民に関する法律も緩和に向うのではないかと
在伊外国人はみな期待しただろう。
制度や法律がさっさと変わるイタリアにおいて、
政治家の判断がいかに自分の生活に影響を及ぼすか、
私もはっきりと自覚するようになった。

「外国人」って、自分の国にいる限りは絶対になれない。
それはイタリアに来た最初の頃、ミラノ移民局で指紋押捺をさせられた時に思ったことだ。
インクを手にべったりつけられて、なんだかこれは犯罪者のようだ・・。
日本でもよく報道されている、在日外国人の「指紋押捺」論議にいかに自分がゼロ無関心だったか、
考えた。

イタリアの場合は、県によって更新の提出書類が違ったり、手続きに微妙な差があったり、
この国のすべての制度に共通していることだが、地方差がとっても激しい。
このクーネオ県では、大都市ほど移民の数が集中していないため、
警察での対応や待ち時間もミラノにくらべてましなように感じられる。
それでも12畳程の小さな待合室で3時間立ちっぱなしで待ち、
入りきらない人々は警察署の外まで80メートル強ほど列を連ねる。
雨が降ればみんなで傘をさして待つ。

移民局職員たちは、東欧系や黒い肌のエクストラコミュニタリを
日々イヤという程見ているので、幾分いらいらしている。
窓口のこちらとそちらでけんか腰になることもある。
一枚でも書類が足りなければ、長時間待ったかいもなく、また引き返す。

そんな移民局ですごす時間は、どの移民にとっても楽しい時間ではない。
窓口で呼ばれたら何か言われるだろうか?今回の申請には問題はないだろうか?
もしかして、まったく名前を呼ばれないのでは??なんて不安が伴い、
それ以上に、
椅子もほとんどない待ち合い室にぎゅうぎゅうづめで待っているのは、
どうも「下に置かれてる」感じがする。

日本人であることは、モロッコ人やセネガル人、ルーマニア人、
アルバニア人であることよりかなり有利で、優遇視されているはずだ。
クーネオ警察ではどの国民も一緒に列を作るのでその点まだ平等だが、
トリノ県警察では国籍によって窓口の時間帯が違うと聞く。
事務手続きの効率化が名目とはいえ、やっぱり裏には国ごとに人を見る区別感が働いているのだろう。

それでも、いっしょくたな待合室は、時にはそう悪くもない。
アフリカ系の女性に連れられた赤ちゃんが、にこにこと待合室を
動き回る。他の女性のひざに上ってネックレスをひっぱろうとする。
髪を細い三つ編みにした彼女のお母さん(お姉さんだろうか?)のパスポートには、
コートジボワール、とあった。
一方、頭を覆ったモロッコ人女性と来ている3歳位の男の子は、
待合室の状況とお母さんの真剣な表情とは関係なく、
いないいないばあをして私に遊んでくれといった風。

待ち合い室の中で、違う国出身の移民たちが世間話をすることはほとんどない。
どことなくみんな押し黙っている。
これが外で列を作っていると、屋外の開放感からか
それともまだ何時間も待たなければいけない絶望感からか、言葉をかわすこともある。

ワインのぶどうつみを何年もやっているアルバニアの女性、
昔アルゼンチンに移民したイタリア人の子孫で、
親戚を頼ってイタリアにやって来た人、などなど。

それでも、移民の中には実に信用できない人もいるってことを、
私たち移民たち自身もわかっているので、誰彼となく話していいという雰囲気は絶対にない。


9時過ぎから待ち始め11時半を過ぎ、そろそろ希望もつきて来た頃、
モロッコ人の男の子に気を取られていた私は、自分の名前が呼ばれたのに気がつかなかった。
列を作っている東欧系の顔立ちの男の人が「ミノブ!」と言い、
続けてもうひとりアフリカ系の人が「ミノブ!」と声をあげた。
それでやっと自分の番が来たことがわかった私は、ありがとう!と言って
手続き窓口へ急いだ。
どうして私がミノブだってわかったのかな? 
待合室の中では、連帯感のようなものも時に感じられる。


その日更新手続きが終わっても、一件落着ではない。
「EU外の国民」の急激な増加で、新たに許可証がおりるまで4ヶ月半は待たされる。
その間は「滞在許可証待ち」で、国外に出てもイタリアに再入国できる保証はない。
なんといっても、問題なく新しい許可証が下りるのかどうか・・?不安である。

あのコートジボワールの赤ん坊や、モロッコ人の男の子にとって、
イタリアはどんな国になっていくのかなあ、と思う。
今やイタリアでは外国人の両親を持つ子供が55万人いて、その半分が
イタリアで生まれだ。
このブラも例外ではなく、先週、友人ヴェスナが産婦人科に行ったら、
待合室には6人のアフリカ系の妊婦がいたという。
居合わせたブラの老婦人は苦々しい顔つきだった、とヴェスナは言う・・。


サッカーのワールドカップで、彼女の出身国、
クロアチアも日本に少し知られるようになった。
東のヴェネツィアを越えればすぐ隣、
イタリア人にとってクロアチアの海はヴァカンス地でもある。
イタリアで生まれ育ったヴェスナがクロアチアに帰ることはほとんどないが、
今年はトニーと海辺の親戚のうちへ行くそうだ。
彼女にとっては、「母国に帰る」旅ではなくて「休暇に行く」旅なんだろう。

そのトニーが休暇をとれたのも、ワールドカップで、彼の働く映画館に人が来ないため。
この時期ブラで映画館を訪れる人はほとんどいない。
それはワールドカップのせいだけでなく、夏が近づくにつれ週末海や山へ行く人が増え、
映画を見る雰囲気が全体的になくなってしまうせいもある。


サッカーに特に興味を持ったことはなかったけれど、今回はディーノ氏から前もって
「ワールドカップの間は、時々テレビでサッカー見ます」という宣言があり、
それなら私も便乗します、とイタリア戦だけでなく他の国の試合まで見た。
(時々と言ったくせに、時々ではなくほとんど毎日だった。)

今までのところイタリアは勝ち進み、明日の試合を乗り越えれば決勝戦である。
けれども、3つゴールを入れて勝った先のウクライナ戦を除き、
やっとこさ勝ったというかんじの試合ぶりについて、
ブラで聞かれるサッカー評はそう喜ばしげでない。
「いい試合じゃなかった。」と口々に言う。

もちろんイタリア人だからといって、みんながみんなサッカーが好きなわけではなく、
この騒がしい時期を苦々しく思っている人もいるだろう。
トニーもヴェスナもサッカーを見ないし、たぶんお百姓のクラウディオも見ない。
美容師パオラは、イタリア戦なら話題程度にテレビをつけておく、といったところ。

それでも、昼夜のカフェで大スクリーンに試合を映し出し、老若男女問わず
夢中になっている様子はほほえましくもある。
電気屋のアルマンドは、店内のワイドスクリーン・テレビを3つ並べて、
午後のイタリア戦中は客が来ないのをいいことに、
ビールを買いこんで午後の試合を観戦したそうだ。
アンテナをビル上階からひっぱり、オフィスで試合を見たという銀行員は、
30メートルほどの延長アンテナ線が必要だったらしい。

なぜサッカーがそんなに大切なのか?
それは私にはわからないが、「仕事」とか「人生の目的」ではないものに
これだけ一生懸命になるのも、時には体にいいような気がする。


イタリアチームには「カモラネーズィ」というアルゼンチン出身の選手がいて、
イタリア国籍を取得しワールドカップでプレイしている。(確か彼もイタリア移民の子孫だったと思う。)
黒い長髪をひとつに結わいてすばしっこくパスを回す彼は、決してゴールを決めるような
花形選手ではないが、ーーサッカーに無知な私が見る限りーー
パスがまわらない難しい試合の時でも彼はちゃんとボールにくらいついているのだ。
テレビのCMに出て、モデルと結婚しているようなスター選手たちは、
時にゴールなどしゃきっと決めるけど
それでは背後でちゃんと動いているのは誰か?と言えばカモラネーズィのような選手だと思う。
対アメリカ戦でイタリアが苦労した後も、チームの監督が
「(ベンチ待ちにしておいた)カモラネーズィを
入れるべきだった」と記者会見で言っている。

けれども試合後の選手インタビューで、カモラネーズィは絶対にインタビューされない。
一度だけ見た彼のインタビュー映像は、他のある有名選手についてどう思うか?と
聞かれた彼のコメントだった。

”エクストラコミュニターリ” の被害妄想かもしれないが、
彼がもしイタリア人だったら、いくらゴールを決めた選手ではないとは言え、
幾度かはインタビューされるんじゃないか?と思ってしまう。
それはもちろん、有名選手たちの言葉の方が視聴者に歓迎され、
陰役者のコメントは重要じゃないということなのかもしれない。
彼がアルゼンチン出身である、という事実とはまったく別に。

でもなあ、何かいやなかんじ・・、という毎試合後の私の不満を
共有してくれるのは、決してイタリア生まれのディーノ氏ではない。
彼は「カモラネーズィだって時にはインタビューされてる」と言う。

それでも、日々テレビを見ていて思うのは、実際のイタリア社会の
人種混合具合とは裏腹に、メディアに出てくる人々ほとんどすべてが
イタリア人だということだ。

前回に書いた、中学校での白玉団子授業も無事に終え、
学校側に報酬交渉に呼ばれた。
事務局の女性局長の所へ赴くと、
職員が「あの、中国人の女の子が来てます」ととりつぐ。
中国人じゃなくて日本人です。と静かに訂正するが、
後日また電話した時、同一人物が「中国人の女の子が・・」と
受話器の向こうでとりついでいるのを聞いて、さすがにキレてしまった。

電話に出た局長に「日本人って言ったはずです!」と言うは早いが、
払い主に声を荒げてしまった、と後悔してももう遅し。
もうこの学校とは仕事はできないのでは?と予感する。
(怒って抗議することは、イタリアで決して珍しくない、とは言え。)

公立病院の新生児室を別として、
学校ほどイタリア人と外国人が混ざっている場所はない。
事務局がこんな調子でも、
子供と直に向き合う先生たちは、教室の現実に対処するためにもっと敏感になっているだろう。
白玉の授業の時には、入国したばかりのモロッコ人の男の子がクラスにいて、
彼はアラビア語とフランス語しかわからず、
ほとんど話すこともできない様子だった。
しばらくたってマリア・グラツィア先生と会った時、彼の様子を尋ねると、
「最近、テキストやノートを全く学校に持ってこなくなり、
原因がわからず困っている」と言っていた。

その場合、イタリアでは既に支援策も存在していて、モロッコ人の
メディアトーレ・カルトゥラーレ mediatore culturale
と呼ばれる専門職の人を呼び、(「文化の仲介者」という意味)
彼と彼の家族に母語で面談をしてもらうことができるらしい。

ブラジル人移民の子供たちが多い地域の日本の保育園でも、
様々な困難があると聞く。
でもメディアトーレのような存在は、きっと日本では
まだ生まれていないだろう。

イタリアの子供たちはもう6月初頭から夏休みに入り、
うれしそうに闊歩している中学校の子たちにもよく出会う。
モロッコ人の彼の夏休みは、どんな夏休みだろうか?

なんだか、今回は問題点ばかりを書いたようですが、
私はトマトとすいかを食べて元気にやっております。


お知らせ:
家庭科の授業の様子が「食農教育」(農山漁村文化協会発行)
という雑誌に出ています。
食農教育
小さな書店では置いていないかもしれませんが、
池袋のジュンク堂などに立ち寄る方はどうぞ手にとってみて下さい。

もうひとつ、コスモ石油が出している環境問題情報誌「テール」に、
昨冬私の中古車を「花柄」にしたことについて、
短い記事を書きました。
こちらは販売誌ではないので、
東京近辺の方で、
「インド家庭料理アブウ」に行かれる方はそこで閲覧してみて下さい。
トニーとヴェスナがカラーリング・スプレーで色付けしている姿が見られます。
(アブウ: 新宿区新宿1−23−16−101、月〜金12時〜17時 tel 03-3352-6331)

まだまだお知らせ続きます:
7月12日(水) 21時10分〜
7月30日 (日) 11時30分〜
東京都お茶の水の 「NEONEO座」という映画上映スペースで、
NEOフェスタというドキュメンタリー作品の映画祭があり、
2004年に私が作った「ますさんのかぼちゃ」が上映されます。
私が立ち会えないのは残念ですが、興味のある方はぜひいらしてみて下さい。
インディペンデントと呼ばれる映画製作者たちにとって、
このような場所があることはありがたいことです。

NEONEO座の場所:小川町駅、新御茶ノ水駅、淡路町駅から徒歩1分
千代田区神田小川町2−10−13 お茶の水ビル1階
neoneo坐

100分程の1プログラムにつき入場料が500円、「ますさん〜」
の入っているプログラムはXプログラムです。

地方の方にはまた機会のありますよう・・。

雨が少なく、水不足のイタリア北部です。
梅雨の日本が幾分なつかしい気もします。
ひややっこでも食べて、、どうぞよい7月を!

脇山美伸

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コメント

 欧米の長期バカンスが羨ましいです。お盆の1週間程度の休みを全国民が一斉に取るなんて哀れすぎる。
 最近の調査によると、65歳以上の高齢者の働く割合は日本が22,2%で世界一。貧しい国と言われるイタリアでさえ3,4%に過ぎません。しかも、日本は再雇用時は30~40%の給与ダウンです。労働の量、質はまったく変わらないのに、ある日を境にかくも賃金が下がるとは。こうやって日本の企業は美味しい汁だけを労働者から吸い取っているのが実態です。
 現在、働かなくて済む私は幸せです。でも、限られた残りの時間を、体力と戦いながら海外バカンスを楽しむのも大変かな?。私の次に行きたい所は、A・J・クイネルの小説『燃える男』の舞台にもなったマルタです。

 移民問題はあなたの文を読んで、まるで目の前に展開しているようにリアルに感じさせられました。生活のかかるあなたの様子もよーくと分かりました。
 今や移民は世界の問題でもあるようです。先月下旬に東京ではセレブ整形外科女医の21歳になる一人娘が誘拐され、すぐ犯人は逮捕されましたが、何と犯人は中国人、韓国人、日本人の3人グループでした。
 また、今日4日に判決が出る広島の7歳女児の強制わいせつ致死罪に問われているのは、ペルー国籍の人間でした。父親は「娘は二度殺されたようなもの」(わいせつ時と絞殺時の二度)と言い、「報道には娘の実名を挙げ、犯行の状況も克明に報道して世間に知って欲しい」と悲痛な叫びをあげていました。
 一方で、日本の地下鉄等のプラットホームから転落した日本人を救おうと飛び降りた事故が二度ありましたが、二度とも飛び降りたのは韓国人でした。可哀想なのは、一件は飛び降りた韓国の青年が死亡してしまいました。
 また、娘は小学校の教員ですが、工場で働く外人労働者の子女が公立学校にも多く学んでいます。度々休む子の家庭訪問をすると「赤ん坊の世話を子供に頼むのが悪いのか」と、逆にくってかかられるとか。彼らにとり、教育より生きる事の方が重要、と言うところでしょうか。

 W杯は誤審が絶えない大会のようです。日本-オーストラリアで二度も反則認定せれず、日本側に不利となり、PKがありませんでした。韓国-フランスでも韓国のゴールが認められませんでした。審判が決めた事は覆せないのです。ところが、ドイツ-アルゼンチンで、ドイツの有力選手が暴力を振るった事がビデオで確認できたという理由で、その選手は二試合分の出場禁止処分になりました。このビデオを大会本部に提供したのはイタリアの某報道機関だったとか。しかし、この場合審判の判定は何所へいったのでしょう。イタリア-ドイツ戦ではこれがどう影響するか。サッカーは正しく国対国の戦争。権謀術策のうずまく世界なのでしょう。
 ついでの関連ですが、イタリア1部・セリエAのペルージャ等で活躍した中田英寿が「新たな自分探したい」とHPで明らかにし、29歳の若さで引退を表明しました。これは号外も出、朝から晩までテレビ報道は続き大変でしたヨ。

 最後に、我が愛する滋賀県から二日に女性知事が誕生しました。確か北海道、千葉、大阪、熊本に次いで五人目になるとか。現職三期目を立候補したベテラン知事は家業が建設業。その知事が県内の栗東市に新幹線新駅建設推進派で、自民、公明、民社の推薦で立候補しているから当然当選すると誰しも思っていました。ところが、新駅建設の凍結を掲げた大学教授の女性が当選したので、衝撃波は全国に広がりました。
 これからの日本の政治は利益誘導型から自然擁護型に転換するのではないか。その口火が滋賀から挙がった、と言う事らしいです。
 
 では、想い出深いバカンスを楽しんで下さい。

コメントの続きですが、イタリアの決勝進出おめでとう。ヒョットすると優勝ですね。イタリア人は優勝を信じているでしょう。

 広島の女児殺害の広島地裁判決が出て無期懲役でした。遺族の感情よりも判例を優先した判決です。ただし、「仮釈放は慎重に」と異例の付言を行なっています。
 この事件は昨年11月に女児(7歳)の近所に住んでいたペルー人男性が、下校途中のあいりちゃんを自宅アパートに連れ込み、強制わいせつ致死、死体遺棄したもので異例の速さで裁判が進められました。
 下半身に性的暴力を加えられている間、解放されることを信じておとなしく耐え忍んだにもかかわらず、手で首を絞められて殺害されました。この男性は自国でも同様の事件を引き起こしているため、情状酌量の余地がないので、両親は死刑を信じていました。おそらく、控訴すると思います。

原さん
詳細なコメントありがとうございました。
高齢者の働く割合、イタリアは随分と少ないのですね。知りませんでした。
退職するのを楽しみにして、働かない生活を待ちこがれているイタリアの人は
結構多いのではないかと思います。

一方では、退職しても自分の仕事が好きで
マイペースで続けている、大工、家具職人や自営業の人たちもいて、
私の知っているブラの高齢者にもそんな人がたくさんいます。
74歳のジョルジョはまだ台所ガス・ボンベの配達をしますし、
ピエロも時々注文で大工をやっているようです。
(この間仕事中に転んで足を怪我してしまいました・・。)
自営や手に職のある人たちは、その点強いものですね。
いつまでも仕事が自分と共にあるというか。。
一方では、完全に退職してしまった男性たちが、
「もう何もしてないんだ」と言うのもよく聞きます。

イタリアの年金制度について、私はまだ
よくわからないことの方が多いです。
ただ、将来的に老人が増えて年金制度が成り立たなくなってしまうのではないか、という不安は、日本と同じくイタリアにもあります。
今払っても将来返ってこないだろう、という疑いがあってもこちらは払わないでぶっちぎる、という術が難しく、
結局皆払っていると思います(私も払うことになります)。
イタリア政府は取り立てだけは上手なのです。罰金額がきっと高いのでしょう。。

イタリアードイツ戦の日はミラノにいました。
夜1時すぎでも、クラクションを鳴らすサッカーファンでうるさいこと。
これで決勝戦で勝ちでもしたら、
どうなることやら、です。
勝ち負けよりも、これこそが汗にぎるサッカーの試合!
という試合をしてほしい、と個人的には思います。

幼児わいせつ等の犯罪は、刑罰を重くする、十分に罰するということ以外に、
心理的にどういう原因があるのか、
事件にどういう背景があるのか等、
もっと犯罪者の心の奥深く探るようなことがないと、
減ることもないと思うのですが、どうなのでしょう。
(すべての犯罪に言えることだと思います。)

ベルギーは、幼児わいせつ事件が、例えばイタリアに
くらべて目立って多いと聞きます。
イタリアは「夏の暑さ続く」というテレビのニュースで、
女の子のビキニのお尻を30秒程アップで映すほどオープン(無神経とも言えます)ですから、
うっ屈した性の事件がおこる土壌がやや少ないのかも、しれません。

私が新聞スタンドで見た限り、先の水曜日は、イタリア勝利のニュースが全面に出て、
北朝鮮ミサイル問題のことはかげに隠れていました。心配ではあります。

マルタに行かれましたらまたお写真を
送って下さい。
それではまた!
脇山美伸

________________
訂正のお知らせ:
本文中に
農村漁村文化協会 と書いたのは
「農山漁村文化協会」の間違いでした!
ごめんなさい、お詫びして訂正します。
文中、食農教育の雑誌のサイトにリンクも貼りました。


ご丁寧にも、長文のご返事、ありがとうございます。
 
 W杯も十日で終了、世界が静かになりますネ。ドイツ-ポルトガルの三位決定戦では、日本人が主審と副審を務めます。今までの公平なジャッジが認められたのでしょう。日本人の審判員がW杯の一次リーグ以降の試合を受け持つのは初めてです。日本サッカーがだめなら、審判で溜飲を下げたいものです。

 北朝鮮が派手に花火を打ち上げました。困った事です。日本案の制裁決議案が早速にも、中国とロシアの反対にあっています。これで拒否権を発動されたら、北朝鮮は益々打ち上げるでしょう。米国を除く安全保障理事国の国連分担金全部の合計額より、日本の分担金の方が多いのです。悔しい限りです。
 日本の現状は、赤ちゃんを含め、国の抱える借金が一人当たり700万円。破産にひとしい状態を世界にアッピールすべきだと思いませんか。

 ところで、『滞在許可証更新』では苦労されている点、同情申上げます。どこでも、外国人は大変なんですネ。大津在住の私の知人(建具屋さん)の娘さんが12年前に、絵画の修復技術をマスターするため、ローマの学校に入学しようとしたのですが、入学するには二年以上のビザ取得が条件。当時、二年以上のビザが取れるのは外交官等、ごく一部の人たちでした。彼女は入学を明らめて、そのまま、イタリアで絵を描き続け、現在はサルデーニヤに住んでいます。あなたも孤軍奮闘でしょうけれど、日本から応援してます。頑張って下さい。

原さん
安全保障理事会の現状については、お恥ずかしながら勉強不足です。
たぶん、日本の国連分担金額が大きいという事実は、
国際的に何も威力を持っていなく、
存在が尊重されないひとつの大きな原因は、
日本に独自の姿勢、意見、方法論がないせいでしょう。

いつもアメリカの意向に従っている国が時たま主張しても、
いつもはボスの言うことに従っている手下の言うことですから、
意見は聞いてもらえない、というのは私には筋が通ります。

それは特に、何がしたいのかはっきりさせなきゃ、
わかってもらえず、かつ認められない、
という西欧国に私がいるせいかもしれません。

日本が安保理事国の常任理事国になれば、
安保理において国益を実現できるようになる、
国際情勢に関する情報が迅速に入手できる、と外務省のサイトにはあります。
「国際平和に貢献」という建前の後ろに、
「国益」という目論みがあるのはどこの国も同じとは言え、
そういう発想は出発点が違うだろう、と思います。

外交の場では国益の追求が第一、だと言いますから、
きれいごとにすぎないとは思いますが。

ご参考までに:
外務省

それでは!
脇山みのぶ


サッカーのイタリア優勝、おめでとうございます。国中で大騒ぎでしょうね。それにしても、ジダンのレッドカードはどうしたのでしょう。よっぽどの「言葉の暴力」を相手選手から浴びせられたのかもしれませんね。
 試合進行を混乱なくスムーズに運ぶのも審判の求められる資質。その点で、ポルトガルの監督が日本の監督を激賞してましたネ。テレビでイエローカードを出している場面でも、日本の審判員はにこやかな顔でカードを出していたし、カードを受ける選手も笑っていました。こんな事って、普通はありえないことですものね。

 国連における日本の評価はあなたのおっしゃる通りです。早く本当の(精神の)独立を果たして欲しいです。
 外務省の添付文をありがとうございます。

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