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2004年09月03日

最後のごはん

あと40分ばかりしたら家を出なければいけない、という午前3時50分、
夏の最後にブラ(でも今は日本ですね)通信を書いていこうと思います。

9月4日の今日は、もうすでに秋というかんじです。
でも夜中に雷も鳴っていました。

8月28日の「まるで映画みたい」上映会の日は、台風まっただなか、でも
暴風雨にならなかったおかげで、来てくれた人たちもびしょぬれにならずにすみました。
孫を連れたおばあさんから、はかまの大学生、鳥取から帰省していたさなえちゃん、保育所の保育士さん、児童館の職員の方、はらっぱハウスの大林さんとそのお子さんフキト君としゅうこちゃん、高知で知り合ったばかりの大学院生さん、その他もろもろ私の友達たちからイタリア文学研究者の先生まで、
色々な人が集まった上映会でした。
14時から18時までぼちぼち食べながら、話しながら、
見ながら、茶の間みたいなはらっぱの部屋でロールスクリーンに映る映像を見ながら
くつろいだ時間でした。

「不思議な会だった」と後で言っていたのは、はかまをはいてきた少年、ゆーたん、ですが、
君がいちばん不思議だったのでは。。
でも下は3歳ぐらいから上はたぶん60代ぐらいまで?一緒に何か見るっていうのは
いいものだなあと思ったのでした。

あまりごちそうはなかったのですが、唯一特別だったのは松戸の松田さんが作ったシフォンケーキです。
それから、そういえば、定番の「羊飼いのチーズ」も。私にとってはいつも冷蔵庫にあるもの、になってしまったので、特別とは感じなくなってしまったけれど、本当は特別ですよね。

特別、ってなんだろう。珍しいもの、とか、高価なもの、とか。。
今日私は「ますさんのかぼちゃ」の「ますさん」のおうちで最後にご飯を食べてきて、
炊き込みごはんとお味噌汁、おつけものと、豚肉の野菜巻き、をごちそうになってきました。

なんだかすごく「ごちそうだなあ」というかんじがして、何品も並んでいるわけでもなく、材料も質素だし、
ますさんのうちは切り詰めて切り詰めて生活しているので、
良く言う「何もなくて」の謙遜が本当に「何もなくて」に近いのです。

でも食べながら、これはごちそうだなあ、ほんとにごちそうだ、と何度も思っている自分がいて、不思議ですね。

今実家には誰もいないので、最後にひとりでご飯を食べるのもなんだなあ、と思っていたところ
「今日、ごはんどうすんの?」とますさんが電話をかけてきてくれて、
一緒に住んでいる娘さんも一緒に、それから映画を見た人はわかるかもしれないけれど
犬のまりちゃんも一緒に、しみじみとご飯を食べました。

おばさんはロシアの人質事件のことを、かわいそうねえ、かわいそうねえ、
と静かにテレビに見入っていて、自分はもうひざが悪くなって動けないけれども、
駆けて逃げている人たちを見て、彼女も駆けているようでした。

ますさんの人生はずいぶんと暗く、大変なことばかりだったけれども、
最後にますさんの映像が海外で流れたりしていることは、どうなのだろうか?
彼女にとってどういうことなのだろうか?

まだおばさん(私は子供のころからますさんをこう呼んでいます)
はそんなこと知らないのですが、
「あれさあ作ったんだよね」
と言って、見たい?と聞いた私に
「ううん」 とひとこと答えたおばさんでした。

それでおしまい、ますさんがあの映像を見ることはありません。

でもみんなはますさんを見て何を感じるんだろうか。
それをひとつひとつ「確かめて」いくのが、「上映」の機会だと思います。

まるで映画みたい、は私にとっては、みなさん前日告知でよく集まってくれた!
それもこんな遠いところへ、雨の日に。ということで「映画みたい」。

どうもありがとうございました。次にはどんな「映画みたい」になるのやら。

でも演出してるのは私ではなく、映画の中のますさんや来てくれてる人たちなのだと
思うのです。

ではこれからブラへ向かいます。

脇山みのぶ